IPアドレスによるアクセス制限は可能?機能内容と設定方法を徹底解説

この記事でわかること
- 管理画面をIP/ホスト名で許可制にし、社内・拠点限定でセキュリティ強化。
- 設定:制限を有効化 → 許可IP/ホスト名登録 → 保存・動作確認。
- 注意:誤登録・IP変更でロックアウト恐れ/対象は原則管理画面のみ。
オンライン学習システムを運用する際、特定のネットワークからしかアクセスさせたくない、もしくは管理画面へのアクセスを社内ネットワーク内に限定したいといった要望が出ることがあります。
manabi+ school では、IPアドレスやホスト名によって LMS(管理画面)へのアクセス制限を行う機能を備えており、これを適切に設定すればセキュリティ強化や運用制御が可能です。
本記事では、manabi+ school における IP 制限機能の概要、具体的な設定手順、制限対象範囲、運用上の注意点・活用アイデアをあわせてご紹介します。
1.IPアドレス制限機能の概要と目的
なぜ IP 制限が必要か
IP 制限(アクセス制限)を設けることには以下のような目的があります:
- 不正ログイン防止:管理画面や運用画面を社外や未知の場所からのアクセスから守る
- 業務ネットワーク限定:社内ネットワークや特定の VPN 経由でしかログインできないようにして、運用ミスリスクを低下させる
- 役割分担・組織制御:拠点ごと・支店ごとにアクセス許可 IP を設定して、運用責任を限定化
こうした制御は、E-learning 運営におけるセキュリティと運用の両立を支える重要な機能です。
manabi+ school における制限対象範囲
manabi+ school では、主に 管理サイト(LMS の管理者画面) に対して IPアクセス制限をかける機能があります。
※受講者サイト(受講者側の画面)に対する IP 制限機能は、マニュアル上で明示されていません。
管理画面アクセス制限の設定では、以下のような形式で IP やホスト名を登録でき、許可された範囲以外からのアクセスを遮断することが可能です。
- 複数の IP アドレスやホスト名を登録できる
- ワイルドカード(例: 168.192.1.*)を使って範囲指定できる
- 許可する IP/ホスト名を登録しておき、それ以外のアクセスは弾く方式
- 「制限する」にチェックを入れて、機能を有効化する必要がある設定画面がある
このような設定により、管理画面のセキュリティを強化できます。
また、管理画面へのログイン履歴(アクセスログ)は、どの管理者がどの IP からログインしたかを記録して閲覧できる機能も併設されています。
このログには、IP アドレス・日時・端末情報などが含まれます。
2.設定手順:管理画面での IP 制限方法
以下は、manabi+ school の管理画面で IP アドレス制限を設定する際の一般的な手順イメージです(マニュアル記載に準じた流れを手順化)。
ステップ 1:セクション設定 → サイト情報タブを開く
管理画面にログイン後、「セクション設定」もしくは「サイト設定」メニューを開きます。
この中に「サイト情報」タブもしくは「アクセス制限」設定項目が存在します。
ステップ 2:「アクセス制限を設定する」を有効化する
サイト情報タブ内に「アクセス制限(IP/ホスト名制限)」のチェック項目があります。このチェックをオンにすると、許可する IP/ホスト名を入力できるようになります。
ステップ 3:許可 IP アドレス・ホスト名を登録
アクセスを許可する IP アドレスやホスト名をリスト形式で登録します。具体的な設定例:
203.0.113.15 のような固定 IP
192.168.0.* といったワイルドカード指定
特定ホスト名(例: vpn.example.com)
複数行で登録可能で、これら以外のアクセスは制限されます。
ステップ 4:設定保存・テスト
登録が終わったら「設定」または「保存」ボタンを押して反映を確定します。
その後、許可 IP/ホスト名以外のネットワークからアクセスできないか、ブラウザでログイン画面を開いて動作を確認します。
ステップ 5:ログインログでアクセス履歴を監視
アクセス情報タブなどで、管理者ログイン履歴を確認します。ログイン日時・管理者名・IP アドレス・端末情報が記録されており、許可 IP 外からのアクセス試行がないかをチェックできます。
3.制限設定の活用パターンと設計例
IP 制限機能は、運用形態に応じてさまざまな使い方ができます。以下は活用パターンの例と設計のヒントです。
3.1 社内限定アクセス
管理画面は社内 LAN/VPN 経由からのみアクセス可能
登録する IP は会社固定 IP やオフィスネットワークのサブネット
外出先やリモート PC からの管理アクセスは許可対象外とし、セキュリティ強化
3.2 拠点別アクセス制御
支店や拠点ごとに IP アドレスレンジを指定し、支店 A なら A 拠点の IP のみ、支店 B なら B のみ、というように分割制御
指定ネットワークからのみ操作を許可することで、組織管理者を限定的に
3.3 運用役割制御
LMS 管理者権限者のみ IP 制限を設け、講座登録者やコンテンツ編集者には別のアクセスルートを設計
特定の管理操作(例:決済設定変更、マスター管理)にはさらに厳しい IP 制限を併設する設計も可能(要カスタマイズ検討)

4.注意点と運用上の留意事項
IP 制限を導入するときには、設計や運用面で注意すべき点がいくつかあります。下記を押さえておきましょう。
4.1 許可 IP の漏れや誤登録リスク
許可対象 IP を正しく把握しておくことが重要。社内ネットワークの固定 IP、VPN 接続先 IP 範囲などを正確に確認
ワイルドカード指定を間違えると、予期しない IP 範囲まで許可してしまう可能性もある
メンテナンス中・回線変更時・ネットワーク再構築時など、IP が変わる可能性がある環境では柔軟性も念頭に置く必要あり
4.2 運用者障害時アクセス不能リスク
万が一自身のアクセス IP を登録し忘れたり変更してしまったりすると、管理画面に入れなくなる可能性がある
管理者別の除外ルートや非常用 IP 登録機構、緊急解除手段(例えば別サブネットアクセスを一時許可するスイッチ)を設計しておくと安全
4.3 権限者の重複とログ記録
複数の管理者が異なる IP からログインする場合、許可 IP を重複登録しておく必要あり
ログインログ機能を活用し、許可 IP 以外からのアクセス試行や異常ログインを日次・週次で監視することが望ましい
4.4 対象範囲の理解
IP 制限は主に 管理画面(LMS 側)ログイン に対して機能する仕様
受講者サイト側、講義視聴画面へのアクセスに対して IP 制限をかける設計にはマニュアル上の明記がなく、必要な場合は別途追加設定やカスタマイズを検討する必要あり
登録 IP が変動型(プロバイダーの動的 IP、モバイル回線など)だと制限が不安定になるので、静的 IP/VPN 利用者などに絞る設計が安全
5.まとめ:IP 制限を有効活用しよう
manabi+ school には、管理画面へのアクセスを IP アドレス・ホスト名で制限できる機能が備わっています。これにより、管理アクセスのセキュリティ強化や組織運用制御が可能です。主なポイントを振り返ると:
- 管理画面アクセスに対する IP 制限が可能で、許可 IP/ホスト名を登録する方式
- 複数 IP/ホスト名の登録、ワイルドカード指定にも対応
- 制限対象は主に管理画面側。受講者サイト側制限には別途設計が必要
- 設定誤りや IP 変更リスクに備えた運用設計が欠かせない
- ログインログ機能と併用し、不正アクセスのモニタリングを継続するべき