システム連携機能について|対応サービス・API・SSO連携を解説

LMSシステム連携
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この記事でわかること

  • システム連携は、eラーニング運用の効率化・利便性・データ活用を高める重要機能。
  • APIでアカウント同期や成績データ連携、SSOで統一ログインを実現し、運用を自動化・最適化できる。
  • 導入時はデータ整合性・障害対策・セキュリティ設計を重視し、安定した連携基盤を構築することが鍵。

eラーニングを運用する際、「既存の業務システムと連携できるかどうか」は、導入・運用の大きなポイントになります。
受講者アカウントの同期、シングルサインオン(SSO)、成績データの取り込み・出力、勤怠・人事システムとの連携など、システム間の橋渡しができることで、運営効率や利便性は格段に高まります。

本記事では、manabi+ school を例としながら、システム連携の目的・対応機能(NativeAPI・SSO 等)・導入時の設計および注意点を解説します。

1.システム連携がもたらす効果・目的

まず、なぜシステム連携が重要なのか、どのような効果があるのかを整理しておきます。

1.1 手作業の削減と運営の効率化

受講者情報を複数システムで都度入力・更新する手間をなくし、自動で同期処理できれば、人的ミスも減り運営効率が向上します。

1.2 認証・ログイン体験の向上(UX改善)

SSO(シングルサインオン)などを使えば、受講者は既存の社内システムと同じ認証でログインでき、利便性が上がります。

1.3 データ活用・分析の強化

学習履歴・成績データを他システム(人事、BI、LMS横断)に連携できれば、学習効果と業務評価をつなげる分析基盤が構築できます。

1.4 組織システムとの統合運用

会員システム、顧客データベース、CRM、人事システム、勤怠システムなどと統合できれば、eラーニングを組織運営の一部としてシームレスに扱えます。

2.主な連携方式と対応機能

manabi+ school のシステム連携には次のような方式があります。

方式概要利用例・目的
NativeAPI(Web API)外部システムとデータのやりとりを可能にする公開インターフェース受講者登録・更新、成績取得、講座登録などを自動化
SSO(シングルサインオン)連携一度の認証で複数システムへログインできる仕組み社内ポータルやグループウェアの認証でeラーニングにログイン

以下、manabi+ school で利用可能な API/SSO 連携機能とその使い方のイメージを紹介します。

3.NativeAPI 連携:可能な機能と活用例

API(アプリケーションプログラミングインタフェース)連携はシステム間でリアルタイムにデータをやり取りする方法です。manabi+ school において想定される API 機能や活用例を見てみます。

3.1 想定される API 機能

受講者アカウント作成・更新 API
→ 人事システムから新入社員を自動で登録。氏名・所属・メールアドレス・ID 等を同期

受講者情報取得 API
→ 他システムから受講者の登録情報を取得(一覧取得、個別取得)

講座/モジュール情報取得・登録 API
→ 新しい講座を他システムから登録したり、講座構成を同期

成績・進捗取得 API
→ 受講者の進捗率・テスト得点・学習時間などを他システムに取得

受講履歴 API
→ 受講開始日・終了日・閲覧ログなど履歴情報取得

URL 発行/アクセスログ API
→ 動画 URL 発行・ログ取得など、教材アクセスに関するデータ連携

3.2 API 活用例

人事システムとの自動同期
人事システムに社員情報が登録されると同時に、eラーニングシステムのアカウントを自動生成 → 手動登録不要化。

BI/分析ツールへのデータ提供
学習進捗や成績データを BI ツールへ自動送信 → 研修効果を可視化できる分析ダッシュボードを構築。

外部システムによる受講チェック
勤怠システムや顧客DBから受講必須者リストを取得し、自動で未受講者を同期 → フォロー体制強化。

4.SSO(シングルサインオン)連携:導入意義と方式

SSO(Single Sign-On)連携は、ユーザが一度の認証(ログイン)で複数システムへアクセスできる仕組みです。eラーニング運用において、ユーザ利便性と管理効率を両立するため重要な機能となります。

4.1 SSO連携の方式

OAuth / OpenID Connect(OIDC)方式
近年の Web アプリケーションで使われることが多い認証方式。API やモバイル対応に強い。

4.2 SSO連携の効果・意義

  • 利用者にとってログイン操作は一度で済む(アカウント・パスワード管理の手間軽減)
  • パスワードリセット対応・アカウント管理を統一できる
  • セキュリティポリシーを企業標準で適用できる
  • 社内ポータルやグループウェアから、シームレスに研修画面遷移可能

4.3 実装上の注意点

  • SSO認証対象とするユーザ属性(ID/メールアドレス)や属性マッピングを正しく設計
  • 認証失敗時のフォールバック処理(SSOログイン不可時の措置)を設計
  • 認証トークンの有効期間、セッション管理、ログアウト同期などを設計
  • モバイル対応時の認証誘導画面やリダイレクト設計

5.連携設計時の考慮ポイント・注意点

システム連携を設計・導入する際は、以下のようなポイントに注意しておくと安定運用につながります。

5.1 データ整合性と同期タイミング

API やバッチ同期で扱うデータの更新タイミング、競合処理、整合性確保策(重複チェックやトランザクション設計)を慎重に設計する必要があります。

5.2 障害対応・フェイルオーバー設計

APIや認証連携が一時的に使えない状態になった場合でも、システム全体が停止しないようにフェイルオーバーやリトライ設計、エラーハンドリングが重要です。

5.3 権限・アクセス制御の設計

連携対象のデータや機能に対して、誰がアクセスできるか、どの操作が許されるかを明確に制御する設計が求められます。

5.4 セキュリティと認可・暗号化

認証トークンや API のリクエスト・レスポンスには暗号化(TLS/SSL 利用)、署名検証、認可チェックなどのセキュリティ設計を必須とします。

5.5 バージョン管理と互換性対応

API を進化させる際、旧バージョンとの互換性やバージョン切り替え設計を事前に検討しておくと、連携先システムに影響を与えにくくなります。

5.6 運用ログと監査証跡

連携リクエストログ、認証ログ、エラー記録などを適切に記録・保存しておくことで、トラブル調査やセキュリティ監査にも対応できます。

6.まとめ:システム連携を活かしてeラーニングを深化させよう

システム連携機能は、eラーニングを単なる動画配信・教材閲覧システムから、組織の教育・運営基盤の一部に昇華させる重要な柱となります。API、SSO、データ同期方式などを組み合わせ、自社の運用フローに沿った連携を設計すれば、運営効率・利用性・拡張性すべての面で大きな利点が得られます。

  • NativeAPI 連携で学習データや受講者情報をリアルタイムに同期
  • SSO 連携で認証を統一し、シームレスなログイン体験を提供
  • 外部システムとの統合で教育・HR・BI をつなげる運用へ
  • 設計時は同期タイミング・障害対応・セキュリティに特に注意