視聴ログは取れる?取得可能な情報と管理画面での確認方法を徹底解説

この記事でわかること
- 視聴・行動ログで進捗や視聴時間を可視化(管理者・受講者が確認、CSV出力可)。
- 集計は最大約4時間の遅延あり(完全リアルタイムではない)。
- 未進捗者フォローや改善に活用(リマインド、滞留分析、端末情報送信と併用)。
オンライン講座を運用する上で、受講者の視聴状況を記録・分析できるかどうかは非常に重要なポイントです。
「ちゃんと見ているか」「どこまで進んでいるか」「いつ視聴したか」などの情報をログとして取得できれば、運用改善やフォローアップに役立ちます。
manabi+ school には、受講ログ/行動ログを取得・閲覧できる仕組みが整っており、管理者/受講者双方が確認できる箇所があります。
本記事では、manabi+ school で取得可能な視聴ログの内容、ログデータの制限事項、管理画面/受講者画面での確認方法、運用上の留意点を順を追って解説します。
1.取得できる視聴ログ・行動ログの概要
manabi+ school では、受講履歴・講義視聴履歴・行動履歴(受講中・視聴完了・問題解答・課題提出など)など、さまざまなログ情報を記録する仕組みがあります。
これにより、管理者側・講師側は受講者の進捗・活動をある程度可視化できます。
以下のようなログ情報が取得・閲覧可能です(※一部仕様上の制約あり)。
1.1 受講履歴ログ項目
受講者自身が閲覧できる「受講履歴」画面には、講座単位・講義単位・カリキュラム単位の履歴が表示されます。
具体的に表示されるログ項目例:
- 講座ID、講座名
- 全講義数(その講座に含まれる講義の総数)
- 講座の「講義開始数」:少なくとも1回は視聴を始めた講義数
- 講座の「講義完了数」:受講完了条件を満たした講義数
- 進捗率:完了した講義数 ÷ 全講義数 × 100%
- 受講完了日(進捗率 100% になった日)
- 合計視聴時間:その講座に所属する講義の視聴時間合計(ただし集計には遅延あり)
- 合計スライド PV(スライド形式教材の閲覧回数合計)
- カリキュラム単位での獲得点数(該当する場合)
- 講義単位では、講義名・講義ID・進捗状況(未着手/受講中/視聴完了など)
- 講義単位の合計視聴時間・スライド PV 数
- 問題出題型講義では、解答回数・最高正答率など
- 行動履歴:受講中・視聴完了・問題解答完了などの “アクション” とその日時
- 購入履歴・オーダー情報(受講者が講座を購入した場合)
- CSV 出力機能(検索結果を CSV 形式でダウンロード可能)
特に「合計視聴時間」「進捗率」「行動履歴」は、受講者がどの程度講義を視聴したかや、どの操作をしたかを把握する上で重要な指標となります。
ただし、「合計視聴時間」「スライド PV 数」などのログはリアルタイム更新ではなく 最大4時間程度の遅延 があるため、直近の操作がすべて反映されない可能性がある点も注意が必要です。
1.2 行動ログ(アクション履歴)
受講者がシステム上で行った操作を時系列で記録した「行動ログ」が、「行動履歴」というタブで確認できます。
このログには、次のような操作イベントが含まれます。
- 受講中(講義を視聴している途中の状態)
- 視聴完了(講義を最後まで視聴した)
- 問題解答完了(問題出題型講義で解答を提出した)
- 正答率達成(一定の正答率を満たした)
- 回答一時保存
- 回答完了
- 課題提出(課題型講義でファイル等を提出)
- 課題レビュー完了
- 課題合格
これらの各アクションは「日時」「講座ID/講義ID/講義名」などの情報とともに記録されます。これにより、どの受講者が、どの講義を、いつどのような操作をしたかを把握できるようになります。
1.3 視聴端末情報送信(トラブル時オプションログ)
授業視聴中にトラブルが発生した際、受講者側から「視聴端末情報送信」という機能を使って、端末情報やブラウザ情報、エラー情報を送信できる仕組みがあります。
この機能により、管理者側でトラブル原因を解析しやすくなります。送信されるログ情報は以下のとおりです:
- 使用している端末 OS やブラウザの種類・バージョン
- 発生したエラー情報
- どの画面でトラブルが起きたか
なお、個人情報(氏名・メールアドレスなど)は収集されず、プライバシー保護が配慮されています
この送信機能は「視聴トラブルを再現 → 視聴画面から『視聴トラブル』ボタンを押す」という手順で利用できます。
2.管理者/講師側でログを確認する方法
受講者側だけでなく、管理者(講師権限または LMS 管理者)側には、受講者のログを確認できる機能もあります。ここでは、管理画面でのログ確認方法とポイントを紹介します。
2.1 受講履歴確認・検索
管理者側では、受講者の講座・講義ごとの受講履歴を一覧・検索できるよう設計されています。受講者名/講座名で検索し、各受講者の進捗状況・ログデータを確認できます。
受講履歴画面では次のような項目が列表示されます:
- 講座 ID、講座名
- 全講義数、開始数、完了数
- 進捗率
- 合計視聴時間、スライド PV 数
- 認定証発行状況
- 講義単位でのログ表示(講義名・視聴時間・ステータス)
- 行動履歴タブ(アクションと日時)
- 問題解答履歴、アンケート回答履歴、購入履歴など
また、検索結果一覧の右クリックメニューから CSV 出力が可能で、外部分析用にデータをダウンロードできる点も便利です。
2.2 ログの集計遅延と注意点
ログ情報はリアルタイム集計ではないため、以下のような点に注意が必要です:
合計視聴時間・スライド PV 数などは 最大 4 時間ほどの遅延 が発生することがあります。直近の操作が反映されていない可能性があります。
検索条件や並び順を指定できる機能があり、例えば進捗率順・受講開始順などで並び替えられます。
権限のある管理者(講師権限を持つもの)でなければ、特定受講者のログ詳細を閲覧できない制限がある可能性があります。
2.3 行動履歴の時系列分析活用
行動ログを使えば「この受講者がいつ講義を始め、途中どこで中断したか」「何時に問題を解いたか」などの操作履歴を時系列で見ることができます。たとえば:
- 講義再生開始時刻
- 再生終了(視聴完了)時刻
- 問題解答実施時刻
- 課題提出時刻
これらをもとに、受講者の学習傾向や滞留ポイントを把握できます。
3.実務運用で意識すべきログの使い方・改善ポイント
視聴ログ機能を単に使うだけでなく、効果的に運用するためにはいくつかのポイントがあります。以下の点を意識すると、ログ活用の精度と運用効率が高まります。
3.1 ログ取得範囲と制限を把握する
- ログのリアルタイム反映には限界があり、視聴時間や PV 数の更新に遅延がある点を把握しておく
- ログ対象となるアクションは「視聴中→視聴完了」「問題解答」「課題提出」などの区切られた操作単位
- 視聴中の一時停止や微細な操作についてはログに残らない場合もある
- こうしたログの粒度・範囲を理解したうえで、ログ活用目的(進捗把握/フォロー/改善分析など)を設計するとよいでしょう。
3.2 受講者フォローアップに役立てる
取得ログをもとに、以下のようなフォローアップに役立てられます:
- 視聴が進んでいない受講者を抽出し、リマインダーを送る
- 講義視聴時間が異常に短い受講者を検出し、理解不十分の可能性を調査
- 問題解答や課題提出が遅れている受講者を把握し、支援を行う
- 行動ログから中断・放置ポイントを分析し、講義設計改善の材料にする
こうした運用によって、ただログを取るだけでなく受講定着・学習効率向上へつなげられます。
3.3 受講者側に履歴確認機能を提供する
受講者自身が「自分がどの講義をどこまで視聴したか」「何時間視聴したか」を把握できることは、学習マインドの維持にもつながります。manabi+ school では受講者画面に「受講履歴」機能があり、講座/講義の進捗や視聴時間などを確認可能です。
こうした履歴参照機能を受講者向け案内やマニュアルで案内しておくと、受講者の安心感を高められます。
3.4 トラブル対応ログ送信との連携
視聴端末情報送信機能を利用してもらうことで、ログでは捉えきれない端末固有のエラー状況を補完できます。例えば、特定ブラウザで視聴できない、途中で止まる、再生できないといった不具合時には受講者にログ送信操作を案内し、管理者側でログと組み合わせて原因解析を行う運用設計が有効です。

4.まとめ:manabi+ school の視聴ログ取得と活用
manabi+ school は、受講履歴・講義視聴ログ・行動ログ を取得・表示できる機能を備えており、管理者・講師・受講者それぞれが必要な情報を得られる設計になっています。
主なポイントを整理すると:
- ログ取得対象には、講座・講義単位の視聴時間、進捗、PV 数、行動ログ(視聴完了・問題解答・課題提出など)などが含まれる
ただし、視聴時間やスライド PV 数はリアルタイム集計ではなく遅延あり(最大 4 時間程度) - 管理画面から履歴の検索・並び替え・CSV 出力が可能で、ログを外部分析に活用できる
- 受講者画面にも履歴を見られる機能があり、自分の学習状況を確認できる
- 視聴トラブル時は端末情報送信機能とログを組み合わせて原因究明が可能
manabi+ school は、これらの機能を前提に、ログを単なる記録で終わらせず、フォローアップ・学習設計改善に生かす運用設計を行えば、受講率向上や品質改善につながります。