今さら聞けない!eラーニングとは?LMS導入の基本もわかりやすく解説

この記事でわかること
- eラーニングとLMS(学習管理システム)の基本的な仕組みと主要機能
- コスト削減や管理効率化など、eラーニング・LMS導入で得られる4つのメリット
- 初期導入で押さえるべきの5つのポイントと、eラーニングに向いている研修の特徴
「eラーニングってよく聞くけど、実はよく分かっていない…」
「会社でLMS導入すると聞いたけど、具体的になにができるの?」
「そもそも、LMSってなに?」
「初期導入で失敗しないためには、何から始めればいいの?」
昨今、新型コロナウイルスの影響から、働き方改革やリモートワークが急速に普及し、オンライン教育、eラーニングは一気に身近な存在となりました。特に企業の人材育成においては、全社員に均一な教育を提供できるeラーニングの導入が急速に進んでいます。
この記事では、eラーニングやLMS(学習管理システム)の基本や選び方、初期導入のポイントまでわかりやすく解説します。
1.eラーニングとは?
eラーニング(e-learning)とは、インターネットやパソコン、スマートフォンなどを活用して学習を行う仕組みです。従来の教室に集まる「集合型研修」と異なり、オンライン上で学習を進めるため、場所や時間の制約を受けません。
代表的なeラーニング活用事例は以下のとおりです。
- 企業研修:コンプライアンス教育、新入社員研修、情報セキュリティ研修、業務マニュアル研修など
- 法定研修:個人情報保護法、ハラスメント防止、労働安全衛生教育
- 資格取得支援:個人のスキルアップ
2.LMS(学習管理システム)とは?
eラーニング導入に必須なのが「LMS(Learning Management System:学習管理システム)」です。LMSとは、教材配信から学習の進捗管理まで、教育に必要な機能を一元提供するクラウド型の学習プラットフォームです。
LMSの代表的な機能は以下のとおりです。
| 代表的な機能 | 機能の内容 |
|---|---|
| 教材管理機能 | 動画、PDF、など、さまざまな形式のコンテンツを登録・配信できる。 既存の研修資料をそのままアップロード可能。 |
| 教材管理機能 | 動画、PDF、など、さまざまな形式のコンテンツを登録・配信できる。 既存の研修資料をそのままアップロード可能。 |
| 学習進捗管理 | 受講者一人ひとりの学習状況をリアルタイムで把握できる。 Excel管理の必要がないので管理者の負担が軽減。 |
| テスト・アンケート機能 | 理解度チェックのテストや自動採点、研修後のアンケート実施が可能。 |
| 証明書発行機能 | 修了証や成績表を自動発行できます。監査や労働基準監督署への提出資料としても利用可能。 |
| データ分析 | 受講履歴、テスト・アンケート結果などのデータを蓄積・分析し、教育効果の測定や改善に活かせる。 経営層への報告資料作成にも活用可能。 |
3.eラーニング・LMSを導入する4つのメリット
「全国の拠点で研修をしたいけど、講師の手配や会場確保が大変、コストもかかる」
「Excelでの受講管理が煩雑で、誰が未受講かを把握するだけで一苦労」
eラーニングとLMSの導入は、これらの課題を一気に解決できる有用な手段です。ここでは、eラーニングとLMSの導入するメリットを4つ紹介していきます。
3.1.教育コストを大幅に削減できる
国内外に拠点が分散している企業では、「本社で実施する研修に、地方や海外の社員をどう参加させるか」は大きな課題です。時間と場所の制約がないeラーニングなら、この問題を解決できます。インターネット環境があれば、オフィス、自宅、出張先からでもアクセス可能です。
たとえば、北海道や九州の営業所でも、本社と全く同じ内容の研修を同じタイミングで受講できます。また、シフト勤務の従業員や、育児・介護で時間の制約がある社員、テレワーク中の社員も同じ研修を受けられます。
3.2.教育コストを大幅に削減できる
集合研修は、講師の派遣費用、会場レンタル費、資料の印刷代、参加者の交通費・宿泊費など、一度実施するだけでも多額のコストが発生します。
これがeラーニングになると、教材を作成すれば何度でも配信できるため、受講者数が増えても追加コストがほとんどかかりません。たとえば、全国500名が受講するコンプライアンス研修を集合形式で実施すると、会場費や講師費用だけで数百万円かかることもありますが、eラーニングなら教材作成費のみで済みます。
3.3.受講状況や成績を簡単に管理できる
研修を実施すると必ず発生するのが、「誰が受講したか」を管理する業務です。これをExcelの名簿と照らし合わせて都度チェックするのは、組織規模が大きいほど大きな負担でしょう。
そこで、LMSを使えば、誰がどこまで学習を進めているか管理画面から一目で把握できます。受講状況は常にリアルタイムで更新され、未受講者への自動リマインドメール送信も可能です。また、法定研修の受講履歴も自動的に記録されるため、監査対応もスムーズです。
3.4.受講者が自分のペースで学べる
教育研修の中には、集合研修よりも受講者自身のペースで受講してもらうほうがよい研修もあります。知識の習得や資格取得を目的としたものはその最たるものでしょう。
eラーニングなら、各自の理解度に応じて学習スピードを調整できます。難しい箇所は何度でも繰り返し学習でき、既に理解している部分はスキップすることも可能です。たとえば、業務の合間に15分だけ受講する、通勤時間にスマホで学習するなど、スキマ時間を活用した学び方ができるのも大きなメリットです。
4.eラーニング・LMS初期導入で押さえるべき5つのポイント

eラーニングやLMSのメリットを魅力的に感じたなら、次は「導入するにはなにから手をつければいいのか」です。
以下の5つのポイントを押さえて導入を進めてはいかがでしょうか。
4.1.導入目的を明確にする
まず「なぜeラーニング・LMSを導入するのか」を明確にしましょう。
「研修コストを削減したい」のか、「全国の拠点で教育の質を均一化したい」のか、「法定研修の受講履歴を管理したい」のか。目的によって必要な機能や選ぶべきLMSが変わってきます。導入目的を明確にすれば経営層への説明もしやすくなるため、社内の合意、実施を進めやすくなるでしょう。
4.2.自社に必要なLMSや機能を選ぶ
LMSには様々な種類や機能があります。以下の観点で比較検討しましょう。
| 検討項目 | 検討内容 |
|---|---|
| 想定される利用人数は? | 料金体系に影響するため、将来的な拡大も見据えて選定 |
| 必要なLMSの機能は? | 導入目的に応じた必要な機能の有無を確認。動画配信、テスト機能、証明書発行など |
| 操作性は? | システム・ITに詳しくない社員でも使えるか、直感的に扱えるのが理想だが、無料トライアルなど確認 |
| サポート体制は? | 導入支援だけでなく、運用後の問い合わせ対応が充実しているか確認 |
4.3.段階的に導入する
いきなり全社展開すると、トラブル発生時に事態を収束させるのが大変です。まずは特定の部署や研修(例:新入社員研修、コンプライアンス研修)で試験導入し、運用方法を確立してから全社に拡大するのが安全です。
小さく始めることで、本格展開時のトラブルを最小限に抑えられます。
4.4.教材を準備する
「完璧な教材を用意してから導入しよう」と考えると、いつまで経っても始められません。
既存の研修資料(PDF、動画など)をそのままデジタル化してアップロードすることから始めましょう。運用しながら受講者の反応を見て、徐々に改善していく方が現実的です。
4.5.eラーニング・LMS導入研修を実施する
ITツールに不慣れな方もいるでしょう。導入時には、管理する部署向けの操作説明会を実施しましょう。
まずは管理者に、「ログイン方法」「教材の探し方」「テストの受け方」など受講方法を周知させ、そこから「進捗確認の方法」「未受講者へのリマインド送信」などの管理社向け研修を行うと、運用開始後の混乱を防ぎやすくなります。
5. eラーニングに向いている研修とは?
以下のような特徴を持つ研修は、eラーニングで高い効果を発揮します。
| 研修の種類 | 研修内容・特徴 |
|---|---|
| 全社員が受講すべき必須研修 | コンプライアンス教育、情報セキュリティ研修など |
| 定期的に繰り返し実施する研修 | 一度教材を作成すれば使い回しやすい、年1回の法定研修など |
| 知識習得が中心の研修 | 業務マニュアル、商品知識に関する研修など |
| 受講履歴の管理が必要な研修 | 法令で受講が義務付けられている研修や監査対応が必要な研修 |
| 入社前・入社直後の基礎研修 | 内定者教育や新入社員の基礎研修 |
6. eラーニングの今後の展望
eラーニングはここ数年で急速に進化しています。今後の注目ポイントは次のとおりです。
6.1.AIや自動化技術の活用
受講者の進捗や理解度を分析し、自動でおすすめ教材を提示する「パーソナライズ学習」が広がっています。また、自動採点やAIチャットによる学習サポートなど、人的リソースを補完する仕組みも増えています。
6.2.ハイブリッド型教育との融合
オンラインと対面のメリットを組み合わせた「ハイブリッド型教育」が進展しています。集合研修とeラーニングを組み合わせることで、効率的かつ柔軟な学習環境を構築できます。
6.3.学習データの活用
LMSに蓄積された受講データを分析することで、教育の質を改善したり、従業員のスキルマップを作成したりする企業も増えています。データドリブンな教育が、今後さらに一般化していくでしょう。
7.まとめ
eラーニングは、インターネットを活用して時間や場所にとらわれずに学習できる仕組みです。その中核を担うのがLMS(学習管理システム)です。
eラーニング・LMSによる効率的な学習管理、コスト削減、学習スタイルが柔軟になるといった多くのメリットがあり、企業研修を中心に活用が進んでいます。
初期導入時には、導入の目的や適切なLMS機能を選ぶこと、管理部署を中心とした周知が重要です。完璧を目指すのではなく、まずは小さく始めて、運用しながら改善していくのをおすすめします。
「難しそう」「大変そう」と感じられるかもしれませんが、まずは情報収集から始めて、自社の課題に合ったeラーニングやLMSの活用方法を見つけてください。
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