不正受講を防げないeラーニングの共通点と、LMSでできる改善策

この記事でわかること
- 不正受講は受講者の問題だけでなく、eラーニングの設計や運用体制にも原因がある。
- 視聴完了型設計や行動の不可視化、ログ未活用が不正受講を招く主因となっている。
- LMSで受講プロセス可視化や修了条件の複合化を行うことが有効な防止策となる。
eラーニングは、企業研修や資格教育の現場で欠かせない仕組みとなりました。
しかし、近年は受講者の不正行為に悩む企業も増加傾向にあります。
不正を行う受講者には、
「業務が忙しくて研修を受ける時間がもったいない」
「動画さえ流しておけば受講完了になるから視聴しなくてもよい」
といった、研修を軽視する意識が垣間見られます。
しかし、不正受講の問題は多くの場合、
eラーニングの設計やLMSの使い方そのものに原因があります。
本記事では、不正受講が起きやすいeラーニングの共通点を整理し、LMSを活用した改善策を解説します。
なぜ不正受講が起こってしまうのか、どのように防ぐべきなのか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
1.eラーニングにおける「不正受講」と「不適切受講」
まず前提として、不正受講とは必ずしも「悪意ある不正」だけを指しません。
eラーニングが抱える課題には、
制度や仕組みが許してしまっている「不適切受講」も挙げられます。
たとえば、以下のような受講スタイルは、
システムの整備によって防ぐことが可能です。
- 動画を流したまま席を外す
- 理解していないが修了扱いになる
- 代理操作を黙認してしまう
- 受講すべきでない場所で受講してしまう
システムで防げる不正受講・不適切受講は
管理体制を見直すことで起こりにくくなり、
受講者がより確実に研修内容を理解しやすくなります。
この問題の背景は👉「不正受講防止対策の基本と実践例」
でも詳しく整理されています。
本記事とあわせて参考にしてください。
2.不正受講を生みやすいeラーニングの共通点3選
eラーニングで不正受講が起こりやすい受講環境には、共通点があります。
ここでは、不正受講を生みやすいeラーニングが持つ以下の特徴を解説します。
- 「視聴=受講完了」という設計
- 受講中の行動を確認できない
- ログは取っているが、見ていない
まずはeラーニングの設計や運用体制に着目し、不正受講の原因を整理しましょう。
2-1.① 「視聴=受講完了」という設計
動画を最後まで視聴すれば修了が認められるという設計も、
不正受講を生みやすいeラーニングの特徴の一つです。
この方式は修了判定を自動化させやすいことから
多くのeラーニングで採用されています。
しかし、修了の基準が単純であるからこそ
「動画を再生すればよい」という意識につながってしまうのです。
最後まで動画を見ることだけが受講完了の指標となると、
以下のような不正受講の原因になり得るでしょう。
- 再生だけして内容を見ずに別の作業をしている
- 倍速・バックグラウンド再生で動画を視聴している
- 動画を再生したまま途中で離席する
この問題を解決するには、受講者の意識だけではなく
設計から見直す必要があります。
2-2.② 受講中の行動を確認できない
受講者の行動が可視化されていないeラーニングでは、不正受講が発生しても管理側が把握できません。
なぜなら、どのように受講されたか確認できないため、不正かどうかの判断が難しいからです。
たとえば、適切に受講されたか確認するには
次のような項目を把握しておくべきといえます。
- どこで止まったか
- どの操作をしたか
- 実際の視聴時間
日々、受講中に行われた操作について確認を徹底することで、不正受講の常習化を防ぎやすくなるでしょう。
2-3.③ ログは取っているが、見ていない
受講者を管理するうえで、視聴ログを確認する運用体制が存在しなければ、不正受講の発覚が遅れてしまいます。
多くのLMSに搭載されている視聴ログ機能は、不正受講対策に大いに役立ちます。
たとえば manabi+ school では、
管理者/講師側が受講者のログを確認できる、次のような機能があります。
- 進捗率
- 合計視聴時間
- 行動履歴タブ(アクションと日時)
- 問題解答履歴
- 顔認証・空間認知AIによる不適切受講審査
このような記録から受講者の行動を把握することが、
不正受講・不適切受講の早期発見や防止につながるのです。
視聴ログ機能やログの重要性をさらに詳しく知りたい方は、
👉「視聴ログ管理」を参考にしてください。
何故なりすましが起こるかは、👉「運営が見落としがちな3つの原因」でも解説がありますのでぜひ参考にしてみてください。
3.不正受講を防ぐLMSの活用術4選

eラーニングの不正受講は、LMSの活用によって防ぐことが可能です。
ここでは、LMSを活用した4つの不正受講対策を解説します。
- 受講プロセスを可視化する
- 修了条件を複数組み合わせる
- 監視ではなく抑止設計にする
- 研修の重要度に応じて管理レベルを変える
導入するLMSを選定する際は、
不正受講を防ぐ機能があるかどうかを基準にするのもよいでしょう。
LMSを選定する基準は、👉「LMSでできる改善策」が参考になりますのでチェックしてみてください。
3-1.改善策① 受講プロセスを可視化する
不正受講対策の第一歩は、
受講中の行動をデータとして把握することです。
- 視聴時間
- 操作履歴
- 進捗の遷移
これらが明確になるだけで、
不正受講は管理者が気づける問題に変わります。
個別にフォローするべき受講者を判別できるなど、
網羅的なサポート体制の構築につながります。
3-2.改善策② 修了条件を複数組み合わせる
修了条件を動画視聴のみにせず、
複合的な条件にするのも手段の一つです。
たとえば、コンプライアンス研修では
「動画視聴+理解度テスト+顔認証」を組み合わせることで、
形式的な受講の抑止が期待できます。
簡単には修了できない仕組みによって、
受講者がより積極的な姿勢で研修に取り組む効果にも期待できるでしょう。
ほかにも、修了するためのさまざまな条件をクリアするなかで、
受講者の知識定着を図れるメリットもあります。
3-3.改善策③ 監視ではなく抑止設計にする
eラーニングの受講者管理において、
行動を監視するのではなく不正受講が起こらない設計を
整備することが大切です。
近年では、AIや高度なログ解析による
受講監視の仕組みも注目されています。
eラーニングに顔認証AIや空間認知AIの技術を用いることで、
“ながら見”や”なりすまし受講”などの不正行為を抑止しやすくなるでしょう。
eラーニングで厳重な受講確認・管理が可能なのかは、
👉「厳格な受講確認が求められる研修でeラーニングは使える?」
で解説しています。
厳格な受講確認の必要性や実現可能性を知りたい方は、
あわせてご確認ください。
3-4.改善策④ 研修の厳格性に応じて管理レベルを変える
すべての研修を同じ管理レベルで運用する必要はありません。
研修内容を鑑みて、どの程度の管理が適切なのかを判断しましょう。
例えば、以下のような研修ではより厳格な管理が求められます。
- コンプライアンス研修
- 資格更新研修
- 監査対象研修
また、医療・建築業界のように、
取り組む姿勢だけではなく受講者の真正性も問われる研修もあります。
一方、情報共有目的のような研修では、
過度に厳格な管理を行うとかえって受講者の負担になるでしょう。
導入するLMSを選択する際は、
研修の内容に応じた管理体制を構築できるものがおすすめです。
manabi+ schoolでは、適切な場所で受講しているかを判断する
空間認知AI機能が搭載されています。
これについては、👉「eラーニングで増える「不適切受講」とは?空間認知AIで可能な対策 」で触れられていますので、是非参考にしてみてください。
「料理をしながら」「入浴中に」「運転しながら」など、
不適切な場所での“ながら見”や、”動画の流しっぱなし”を防ぐ効果があります。
より厳正に管理したい研修には、非常に役立つ機能といえるでしょう。
4.eラーニングの不正受講対策は「LMS機能 × 運用設計」
不正受講を防ぐために必要なのは、特別な罰則や監視強化ではありません。
eラーニングの不正受講について厳正な処罰を設けたり、過度な行動管理を行ったりすると、
運用コストの増加や従業員と管理者の関係悪化につながります。
不正受講が起こらないようにするには、次のような状態を形成することが大切です。
- 受講者の行動が見える
- 受講におけるルールが明確
- 正しく受講する方が楽
eラーニングを適切に運用するためにも、自社や研修内容に適したLMSを活用しましょう。
LMSは単なる配信ツールではなく、研修の信頼性を担保する基盤として活用すべき段階に入っています。
eラーニング市場全体の流れを見ると、管理型eラーニングへのシフトが進んでいる傾向も。
eラーニングの最新トレンドは👉「こちら」で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
5.まとめ|LMSでeラーニングの不正受講が起こらない設計を実現
eラーニングの不正受講対策は、LMSの設計と運用の見直しによって大きな改善が可能です。
不正受講が防げないeラーニングには、共通する「構造的な原因」が存在します。
具体的には、次のような原因が不正受講・不適切受講を
引き起こしているといえます。
- 視聴だけで完了する設計
- 行動が見えない運用
- ログを活かさない管理
これらは、LMSの機能と設計次第で確実に解決する課題です。
今後のeラーニングでは、
「実施したか」ではなく「正しく受講されたか」が問われます。
不正受講を防ぐことは、
研修の価値そのものを守ることにつながるでしょう。
当社のmanabi+ school は、LMS(問題登録、動画配信、課金システム、顔認証、空間認知AI等)や、フロントサイトのレイアウトを自由に出来るFSE(Flex Site Engine)を持ったサービスです。
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