動画配信期間は設定できる?公開・視聴期限の設定方法を解説

この記事でわかること
- manabi+ schoolでは、講座・受講者・商品マスタ単位で視聴期限を柔軟に設定でき、公開期間を細かく制御可能。
- 早送り禁止・再視聴制限・視聴チェックなどの再生制御機能を組み合わせることで、不正視聴防止や学習管理を強化できる。
- 期限設定の重複や優先関係を整理し、動作検証と受講者への明確な案内を徹底することが、安定運用と受講者満足の鍵。
オンライン講座で受講者に動画を公開する際、「いつまで視聴できるか」「公開期間をどのように制御するか」は重要な運用上の要件です。
manabi+ school では、講座・講義・商品マスタなど複数レイヤーで「受講期限・視聴期限」の設定が可能です。この記事ではその仕組みと具体的な設定方法、運用時の注意点を整理してご案内します。
1.動画配信と視聴期限の関係:考えておくべき制約
まず前提として抑えておきたいのは:
- 動画そのものをアップロードして配信する形式(動画配信型・スライド動画型など)が前提であること
- 視聴制御(いつまでアクセス可能か)は、講座単位・受講権限単位・商品マスタ単位など、複数層で管理可能であること
これらを押さえておくと、ユーザーがいつまで動画を視聴できるか、あるいは公開期間を区切るかといった制御が可能になります。
manabi+ school においては、講座に対する受講期限(視聴可能期間) の設定機能が中心機能として備わっており、さらに商品マスタ側で期限を上書きする設定もできます。
2.講座単位での受講期限設定:3種類の方式
講座を登録・編集する際、受講期限(=視聴可能期間)を以下の3方式から選べる仕組みがあります。これにより、公開期間や視聴制限を柔軟に制御できます。
| 設定方式 | 内容 | 特徴・用途 |
|---|---|---|
| 無期限 | 受講期限を設定せず、視聴期間に制限を設けない | 期限を意識させず、ずっとアクセスできる状態を維持したい講座に向く |
| 講座ごとに設定 | 講座に対して特定の日付を「受講期限日」として設定 | 例えば公開日~終了日などを固定で定めたい講座向き |
| 受講者ごとに設定 | 権限付与日から起算して○日後を受講期限とする | 講座への申込み日や付与日によって個別に期限をずらしたい場合に有効 |
このいずれかを選択することで、動画講義を含む講座の公開/視聴可能な期間を制御できます。
たとえば「受講者ごとに設定」を選べば、ある受講者には申込から 30 日間視聴可能、別の受講者には申込から 60 日間というような個別運用が可能になります。
また、講座ごとの設定方式を使った場合は「受講期限日」を、受講者ごと方式を使う場合は「受講期限日数」を入力する必要があります。

3.受講権限付与と期限自動設定
受講者に対して「講座への受講権限を付与する」フェーズでも、期限を明示的に設定するか、講座設定に準拠させるかを選ぶことができます。
たとえば、権限付与時に特定の受講者に対して個別の期限日を入力することも可能です。もし入力しなければ、講座設定側で指定された方式・期限に基づいて自動的に期限日が決まります。
この動きのおかげで、講座側で基本仕様を定め、個別設定が必要な受講者のみ例外設定を行う、という柔軟な運用ができます。
さらに、講座グループを使って複数講座をまとめて操作する場合、グループ単位の受講期限付与ロジックも働きます。たとえば「グループに参加した日から起算して 90 日」という設定がなされているなら、新たにそのグループに追加された講座も、すでに所属している受講者には過去の付与日を起点として期限日を算定するような仕様になっています。
4.商品マスタでの期限指定:講座設定を上書きする仕組み
manabi+ school では、講座を商品マスタ(販売や申込の単位)に紐づけた場合、商品マスタ側で受講期限を指定するオプションがあります。これにより、商品購入者が利用できる講座の期限を、講座自体の設定に関わらず一律に制御できます。
具体的には、商品マスタ設定に「日付指定」「申込からの日数指定」などの項目があり、これを設定すると講座側の期限設定を無視して、商品側の期限設定が優先適用されます。
たとえば、次のような用途で使えます:
- 複数講座をセット販売する際、どの講座も 共通の期限(例:購入から 60 日) に揃えたい
- 講座個別には異なる期限を設定していたが、キャンペーン期間限定で統一期限を設けたい
- 講座設定側で「無期限」設定だったとしても、購入者には一定期間しかアクセスできないように制約をかけたい
このように、商品マスタ側で期限設定できる機能は、販売・申込運用上の柔軟性を高める役割を果たします。
ただし、商品側で期限を指定するか、講座側設定に準拠させるかの選択を行う必要があります。
5.講義(動画)単位の早送り・再視聴制御と視聴チェック機能
視聴期限設定とは異なる機能ですが、講義(動画)単位における再生制御も、動画の視聴体験や不正視聴対策に絡む重要な機能です。これらを講義設定と併用することで、視聴期間だけでなく「どう見せるか」も制御できます。
5.1 早送り禁止/再視聴制限
動画を登録する際、プレイヤー設定項目で「早送り禁止」を有効にできます。これを有効化すると、視聴中に早送り操作ができなくなります。ただし巻き戻し操作は可能で、早送り禁止だけでは完全な不正防止にはなりません。
また、講義視聴が完了した後に 再視聴を不可 とするオプションもあります。これにより、受講者が一度完了した動画には再度アクセスできないよう制限可能です。
これらを活用することで「期限切れとは別に、一度見たら再度見られないようにする」運用も設計できます。
5.2 視聴チェック(数字入力方式)・完了ボックス方式
動画に対して「視聴チェック機能」を付与すると、視聴中に画面上にランダムに 3 つの数字が表示され、それを記憶して後で入力しないと視聴完了と認定されない制御が働きます。早送り操作を行うとその数字が出なくなる仕様になっているため、早送り制御と組み合わさる形で不正視聴対策になります。
また、動画視聴終了後に「完了ボタン」を表示し、それをクリックしなければ視聴完了扱いにならない方式(完了ボックス方式)もあります。こうした方式を併用することで、ただ再生するだけでは「視聴済み」と認定されないよう設計することが可能になります。
これら視聴制御機能は、期限設定と組み合わせることで、より厳格な視聴管理を実現できます。
6.実際の設定手順イメージ(運用視点で)
ここでは、管理画面上でどのように設定を進めるか、運用視点での手順を想定しつつ整理します。
ステップ 1:講座登録画面で受講期限方式を選ぶ
講座の基本情報設定画面で、「無期限」「講座ごと」「受講者ごと」のいずれかを選択し、必要に応じて期限日または期限日数を入力します。
ステップ 2:講義設定画面で再生制御・視聴チェックを設定
各動画講義の設定において、次のようなオプションを設定できます:
- 早送り禁止
- 完了ボックス表示
- 視聴チェック機能
- 再視聴禁止
これらを適時オン/オフ設定し、動画視聴の制御度合いを決定します。
ステップ 3:受講権限を付与する際に期限を個別指定(任意)
受講者に権限を付与する画面で、期限日を明示的に入力することも可能です。入力しない場合は講座設定に準拠した期限が自動適用されます。
ステップ 4(任意):商品マスタに期限を設定して講座側設定を上書き
販売商品に紐づく講座群に対して、一律の有効期限を設定したい場合は商品マスタの有効期限 From/To を設定します。これにより講座側の設定を超えて、購入者視点での期限制御が可能になります。
ステップ 5:動作検証・受講者案内
設定後は、実際に受講者アカウントでログインして、期限切れの講座が見えないか、視聴チェックが動くかどうか、再視聴制限が効くかどうか、といった動作検証を行うことが重要です。また、受講者へは「いつまで視聴可能か」を明示した案内を出しておくとトラブルを防げます。
7.運用上・注意すべきポイント
期限設定をうまく運用するには、いくつかの注意点があります。以下を意識しておきましょう。
7.1 講座・講義の構造の設計
多講義構成の講座では、各講義の公開/制御方式を揃えると混乱を避けられます。
期限制御を入れる場合、講義の追加・更新時に期限オーバーにならないか設計時に注意が必要です。
7.2 期限重複・競合の整理
講座設定、受講権限付与、商品マスタ、それぞれに期限設定の可能性があるため、どの設定が優先されるかを整理して運用規約に明記すべきです。
商品マスタで期限を指定した場合、講座側設定を超えて期限が適用される可能性があるので、講座側設定と商品側設定の整合性を保つことが重要です。
7.3 視聴チェック・再生制御との併用効果
期限と早送り禁止/視聴チェックを併用することで、期限切れ+不正視聴防止を統合的に実現できます。
ただし、操作性が厳しくなりすぎると受講者のストレスになる可能性もあるため、分かりやすい案内やサポートを併設すべきです。
7.4 受講者への案内と透明性
受講者サイト上で「受講期限日を表示する」「期限切れ後は講座一覧に表示しない」など、視認性を持たせた案内を出すことが重要です。講座一覧画面には受講期限日が表示され、期限を過ぎると受講できなくなる旨が案内されます。
ユーザーが期限を過ぎてログインできないケースに備えて、期限延長申請手続きやサポート対応ポリシーを定めておくと安心です.
8.まとめ:動画公開・視聴期限制御のポイント
- 講座単位で「無期限」「講座ごと設定」「受講者ごと設定」のいずれかの方式を選択できる
- 権限付与時にも期限を個別指定でき、講座設定に準拠させる方式も選択可能
- 商品マスタ側でも有効期限を設け、講座側設定を上書きする運用ができる
- 講義(動画)単位では早送り禁止・再視聴禁止・視聴チェック・完了ボックスといった視聴制御オプションが使える
- 設定の重複/優先関係を整理した上で、運用検証と受講者案内ルールを整えておくことが成功の鍵
manabi+ school は、これらを適切に設計・運用することで、ただ動画を公開するだけでなく、視聴可能期間を厳格に制御しながら安全性と受講体験を両立できます。