AIエージェントを活用したeラーニングSaaSの不正受講・不適切受講対策

本記事では、AIエージェントを活用したSaaS型eラーニングの不正・不適切受講対策を、具体的に見ていきます。 当社のmanabi+ schoolの学習支援AIエージェント・premo(プレモ)を使った対策も紹介していきますので、ぜひ検討してみてください。

「受講済みなのに、内容を理解していない社員がいる。ちゃんと受けていないのでは?」——eラーニング担当者なら、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。 

結論から言うと、SaaS型eラーニングの不正・不適切受講対策には、AIエージェントが有用です。本人確認から問題設計、監査ログまでを多層で組み合わせることで、不正受講の「うまみ」そのものをなくす仕組みが作れます。

eラーニングSaaSにおけるAIエージェントを活用した不正受講対策の全体像。受講データの解析から不正行為アラートの自動化、不正検知レポートと対策効果の向上まで、システムの仕組みをわかりやすく図解しています。
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この記事でわかること

  • SaaS型eラーニングで把握できる不得意問題の粒度は四段階あり、単なる正答率とは何が違うのかがわかる
  • AIエージェント「premo」がIRTや問題生成・復習支援をどう組み合わせて学習を支援するかがわかる
  • AIエージェント型eラーニングSaaSを導入する際のメリットと、運用上の注意点がわかる

1.eラーニング市場が拡大するほど、「修了記録」より「真正な受講証明」が重要になる

矢野経済研究所によると、2024年度の国内eラーニング市場規模は前年度比2.1%増の3,812億円の見込みです。内訳はBtoB市場が1,232億円(前年度比7.8%増)、BtoC市場が2,580億円となっており、法人向け市場の成長が全体を牽引しています。2026年度も市場拡大が予測されており、企業研修や資格講座、リスキリング領域でeラーニングの存在感はさらに高まっています。(出典:矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査(2025年)」) 
市場が広がるほど、単に「完了フラグが立った」だけでは足りず、「本人が適切に受講したか」を説明できる体制が求められます。

manabi+ schoolのブログでも、eラーニングは「動画視聴中心」から「受講管理・学習データ活用・個別最適化」へ進化したと整理しています。つまり、担当者が考えるべきことは「いかに配信するか」から「いかに信頼できる受講を設計するか」へ変わってきているのです。 

市場や技術の全体像は、👉「EdTech最新動向」を参考にしてください。

AIエージェントによるeラーニングの進化は、👉「AIエージェントで変わるeラーニングの進化」でも整理されています。

2.不正受講・不適切受講の手口は「なりすまし」「カンニング」「形骸化」の3つ

不正受講の手口は大きく3つに分けられます。

  • 本人以外が受講する「なりすまし」(代理受講・ID共有・アカウント貸し借りなど)
  • テストの答えを不正に得る「カンニング」(解答流出・SNSでの共有・生成AI利用など)
  • 受講したことにはなっているが実質的に学んでいない「形骸化」(動画の流し見・ながら受講など)

👉「eラーニングSaaSの不正受講・不適切受講」でも、これらのパターンが主要事例として整理されています。

2-1.なりすまし受講への対策

SaaS型eラーニングにおける「なりすまし」受講とは、代理受講・ID共有・アカウント貸し借りなどを指します。 👉「eラーニングSaaSでなりすましが起きる原因」では、なりすまし受講が起こる原因は、「運営側の構造的な見落としが原因」であると整理されています。

なりすまし受講の対策は、顔認証や継続的な受講監視です。manabi+ Schoolでは、初回に登録した顔写真と照合する「ログイン時顔認証」に加え、受講中も一定間隔で顔認証AIが本人確認を行う「受講監視機能」があります。視線逸脱や受講者の不在を検知した場合は受講を強制終了できるため、代替受講への抑止力にもなります。

2-2.カンニングへの対策

SaaS型eラーニングにおける「カンニング」とは、SNSでの解答共有・生成AIに回答させるなどを指します。629人を対象にした国際比較研究でも、SNSやメッセージングアプリでの解答共有が代表的な手段として報告されています。

特に生成AIを使った不正は厄介です。英国レディング大学の実験では、ChatGPTが生成した答案を実際の試験システムに混入したところ、94%のケースで不正が見抜かれず、平均成績も実際の学生より半段階分高かったことが報告されています。(出典:University of Reading「AI generated exam answers go undetected in real-world blind test」)


このように、事後検出が難しい以上、そもそも生成AIに頼っても意味がない設問設計にすることが、現実的な対策です。 オンラインの研究では、試験バージョンを複数化するだけでもカンニングに効果があり、問題の順序や選択肢をランダム化する手法も、低コストで実施できる対策として広く報告されています。 (出典:Online academic exams: Does multiplicity of exam versions mitigate cheating? – ScienceDirect

つまり、生成AIで解答させても使えない状態を作ればよいのです。この点は、3章で紹介するpremo(プレモ)の「アレンジ出題」機能とも組み合わせやすいため、ぜひ参考にしてください。

2-3.形骸化への対策

SaaS型eラーニングにおける「形骸化」とは、動画を流しっぱなしにしたまま別の作業をする、受講済みのフラグだけ立てて内容を理解していない、といった状態を指します。悪意がないぶん見逃されやすく、👉「eラーニングSaaSが定着しない理由」でも指摘されているように、受講率が高くても学習効果がなく実務に活かされない状態です。

この課題に対しmanabi+ Schoolでは、「視聴チェック機能」で対応しています。受講中にランダムなタイミングで数字の入力を求め、完了しないと受講完了にならない仕組みで、ながら受講や放置視聴の抑止力になります。 

3.学習支援AIエージェント「premo(プレモ)」で不正受講のうまみを下げる


eラーニングの不正受講対策として、学習支援AIエージェント「premo(プレモ)」の活用方法を担当者が説明している場面。不正受講対策の自動化や不正行為・発言の進化への対応など、具体的な対策ポイントをモニターに映して解説しています。

SaaS型eラーニングの不正・不適切受講には、「なりすまし」「カンニング」「形骸化」への対策に加え、「そもそも不正しても意味がない状態を作る」設計を加えると、より効果的です。

その役割を担うのにおすすめなのが、manabi+ Schoolが開発した学習支援AIエージェントのpremo(プレモ)です。

3-1.学習支援AIエージェント「premo」とは何か

premo(プレモ)は、一般的な雑談型チャットBOTとは異なり、学習支援AIとしての信頼性を重視した設計です。教材に沿って根拠を示しながら解説し、「書いていないことは知見で補う、嘘をつかない」設計で、一般的な雑談型チャットBOTとは異なります。 

3-1-1.機能①「アレンジ出題」で不正のうまみを下げる

premo(プレモ)は、受講者の現在の成績や弱点を分析して「今必要なテスト」を提案し、ヒアリングを通じて要望に応じたテストを組み立てられます。また、「アレンジ出題」機能を使えば、既習問題しかなくても問題文や選択肢を変えた新しい問題を出すことができます。

カンニングや解答共有の価値を、学習設計の工夫で自然に下げられるのが、この機能の強みです。 

3-1-2.機能②「なんとなく修了」を復習・成績分析で減らす 

premo(プレモ)は、受講結果の画面で難易度や正答率分布を示し、受講者の実力に合わせた復習提案ができます。誤答の原因は「板書」として見える化され、成績アドバイスにはIRTモデルを用いて、点数や偏差値だけでは見えない本当の実力を可視化します。

「理解していないのになんとなく修了する」状態を減らす方向に働くのが、premoの強みです。受講修了の考え方については、👉「受講証明の落とし穴」もあわせてご覧ください。 

premoについては、👉「教育特化型AIエージェント「premo」による学習効率の向上」に詳しく解説されています。

3-2. premoとmanabi+schoolの分業で不適切受講も防ぐ

premoは学習設計・問題生成・復習支援を担う一方、顔認証や受講監視、ブラウザロックといった本人確認機能は備えていません。本人確認や不適切受講の防止にはmanabi+ Schoolの顔認証・視聴チェック機能が必要です。 

特に、資格更新、法令研修、安全衛生教育など、確実な知識の習得が法令や規則で求められる講座では 、premoを「学習設計・問題生成・復習」レイヤーに置き、本人確認と受講監視はmanabi+ Schoolで補う分業がおすすめです。それぞれの強みを組み合わせることで、不正・不適切受講対策 を多層で設計できます。

4.AIエージェント導入より先に、運用ルールと法務対応を整える

premoやmanabi+ Schoolを導入しても、運用ルールが整っていなければ効果は出ません。ツールより先に、以下の3点を整えておきましょう。

4-1.「なにが不正受講・不適切受講となるか」を決める

まず決めるべきは、「何を不正受講・不適切受講と定義するか」です。代理受講やID共有のように意図的に本人以外が受講する行為が「不正受講」、ながら視聴や資料参照のように悪意はないが適切でない受講が「不適切受講」です。

分けて設計し、処分基準、再受講基準、監査ログ保管期間、申立て窓口まで先に文章化しておきましょう。後からルールを追加するよりトラブルが少なくなります。

4-2.顔認証データの法務対応を忘れない

顔認証や監視AIが扱う顔特徴データには、法務上の注意が必要です。

2026年4月時点の個人情報保護委員会のガイドラインでは、顔特徴データは個人識別符号として個人情報に該当するとされており、利用目的の特定と本人への通知・公表が求められています。(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)
 

SaaS型のeラーニングでも、目的、運営主体、問い合わせ先、認証データの保存方針を受講前に明示しておきましょう。

4-3.AIの判断を過信しない

AIの役割はあくまで一次検知と位置づけ、最終判断は人が証拠を確認したうえで行いましょう。

個人情報保護委員会は生成AIサービスの利用についても注意喚起を公表しており、個人情報を含むプロンプトの入力は利用目的の範囲内か十分に確認することが求められています。受講ログや本人確認データを外部AIへ投入する範囲は、社内ルールで明確に定めておきましょう。(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)

業界別の監視運用については、👉「医療・建設業界でeラーニングSaaSの監視が重視される理由」もあわせてご覧ください。 

5.不正・不適切受講対策は、全講座一律ではなくリスク別に導入すると失敗しにくい

まず講座を「高リスク」と「中低リスク」に分けましょう。資格更新、法令研修、安全衛生教育など、確実な知識の習得が法令や規則で求められる講座は高リスク、日常学習・復習・確認テストは中低リスクとして、本人確認と問題設計の強度を変えて設計します。

リスク別の導入手順は以下を参考にしてください。

  1. 講座を高リスク・中低リスクに分類する
  2. 高リスク講座には顔認証・受講監視を設定する
  3. 中低リスク講座にはランダム出題・小テストを導入し、premoで弱点別問題生成と追試設計を行う

なお、ライセンス費だけでなく、不正対応にかかる工数、監査準備の時間、問題作成の手間なども含めて考えると、ROI(投資対効果)の評価もしやすくなります。

導入の判断軸を考えるうえでは、👉「eラーニングSaaS最新トレンド2026」で整理されているトレンドも参考にしてください。 

6.まとめ

不正・不適切受講対策の本質は、「監視AIを入れること」ではなく、「本人確認・問題設計・学習支援AIの分業」にあります。高リスク講座には顔認証と受講監視、中低リスク講座にはアレンジ出題と視聴チェック機能を組み合わせる三層設計が、費用と学習効果のバランスを取りやすい形です。

premo(プレモ)は、問題生成・復習支援・成績分析を通じて「理解していないのに修了する」状態を減らす力があります。監視の代替としてではなく、不正受講の前提条件そのものを崩す仕組みとして、ぜひ活用を検討してみてください。

当社manabi+ Schoolは、LMS(問題登録、動画配信、課金システム等)やフロントサイト、レイアウトを自由に設定できるFSE(Flex Site Engineを搭載したサービスです。eラーニングを始めたい方は、ぜひ当社にご相談ください。