eラーニングのカスタマイズで実現するUX設計|SaaSの限界と解決方法
本記事では、UX設計が学習効果に与える影響やSaaS型の課題、カスタマイズによって実現できる改善例、導入時に押さえるべきポイントまで詳しく解説します。
eラーニングの成果を高めるためには、教材の質だけでなく、受講者が迷わず学習を進められるUX(ユーザー体験)の設計が重要です。
しかし、多くのSaaS型LMSで構築するeラーニングは画面構成や導線が固定されており、自社の研修方針や講座運営に合わせた最適化が難しい場合があります。そこで注目されているのが、eラーニングシステムのカスタマイズです。

この記事でわかること
- eラーニングの学習継続率向上には、教材だけでなくUX設計の最適化が重要である。
- SaaS型LMSは柔軟性に限界があり、独自の学習導線や画面設計が難しい場合がある。
- カスタマイズ型LMSなら、受講者ごとに最適な学習体験を設計しやすくなる。
1. なぜ今「UX設計」が重要なのか
近年のeラーニングでは、学習の継続率が大きな課題となっています。
しかし、受講者が受講中に途中離脱をしたり、動画を再生したまま放置したりするような不適切受講に悩む企業や資格スクールも少なくありません。
このような問題の原因には、使いにくいUX(ユーザー体験)も大きく関係しています。
近年のeラーニングでは、教材配信や修了管理だけでなく、学習継続率を高めるUX設計が重視されています。
1-1. UXによる学習効果への影響
UXは、受講継続率に直結しています。
具体的には、以下の要素が受講者のモチベーションに影響しやすいのです。
- コンテンツの見やすさ
- 操作しやすさ
- 迷わない導線設計
- スマホでも学びやすい
「どこから学習すればよいか分からない」「教材が探しにくい」といった状態では、学習意欲が大きく低下するため、早急な改善が必要です。
なお、UXと学習継続率の関係は、👉「eラーニングが定着しない理由|『受講しただけ』で終わる原因とは?」でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
2. SaaS型eラーニングが抱えるUXの課題
SaaS型eラーニングはUXが固定化されているケースも多く、差別化が難しいという課題を抱えています。また、導線設計の柔軟性が欠けていることで、自社の教育方針や受講者の状況に最適化できていないケースも少なくありません。ここでは、SaaS型eラーニングが抱える2つの課題を深掘りします。
2-1. テンプレート型UI
多くのSaaS型eラーニングでは、どのサービスも似た画面になりやすい傾向があります。
なぜなら、固定レイアウトや導線設計、標準画面などのUIがテンプレート型になっているからです。
しかし、eラーニングは実施目的や研修内容によって求められるUXは大きく異なります。
企業研修や資格講座、スクール運営など、研修内容に応じて設計するべきなのです。
2-2. 学習導線の最適化
多くの一般的なSaaS型eラーニングでは、標準機能の範囲内でしか設計できません。
しかし、本来は運営側が求める独自の導線設計が必要です。
例えば資格講座では、
- 問題演習を目立たせたい
- 進捗を可視化したい
- 苦手分野をすぐ復習させたい
といった自社の方針に最適化した導線により、学習効果を高められます。
固定UIの限界については、👉「定型サイトを脱却|eラーニングSaaSでもここまでできるカスタマイズ戦略」でも、解説しています。
3. eラーニングのカスタマイズでできること
eラーニングのカスタマイズは、単なるデザイン変更だけでなく、学習体験そのものを自社の方針や受講者の状況に最適化できます。
例えば、受講者ごとの学習状況に応じた教材表示や、資格講座を対象とした問題演習導線の強化、企業研修向けのダッシュボード設計などが可能です。
また、会員サイトや基幹システムとのAPI連携、独自の認証機能の追加、スマホ向けUIの最適化にも対応できます。
運営目的や受講者属性に合わせて機能や画面を柔軟に設計できることが、カスタマイズ型eラーニングの大きな特徴です。
eラーニングのカスタマイズとは何か、何ができるのかを知りたい方は、👉「eラーニングのカスタマイズとは?API連携でできることと活用事例を解説」で解説しています。カスタマイズについて基本的なことから整理したい方は、本記事とあわせて参考にしてください。
4. eラーニングシステムのカスタマイズで実現できるUX設計
カスタマイズ型eラーニングシステム(LMS)では、個人の学習状況や利用端末に最適化したUX設計が可能になります。ここでは、UXをカスタマイズすることで何ができるようになるのか、詳しく解説します。
具体例は、👉「eラーニングSaaSのカスタマイズとは?自社開発の限界を乗り越える4つの具体例」でも紹介されています。
4-1. 受講者ごとの最適導線
eラーニングシステムのカスタマイズ機能では、受講者ごとに最適な導線を設計できます。
例えば企業研修では、以下のような個別最適化を図れるのです。
- 新入社員向け:基礎的な業界知識・業務フロー
- 中堅社員向け:業務効率化・後輩指導
- 役職者向け:ハラスメント対策・チームマネジメント
また、初回ログインにレベル診断を行い、おすすめ教材を表示することも可能です。
UX設計が学習効果を高め、受講満足度の向上に大きく貢献するでしょう。
4-2. スマホ最適化UX
近年はスマホ受講が主流です。
カスタマイズしたUXによって、スマホで受講するユーザーにも快適な学習体験を提供できるようになります。
具体的には、以下のような設計によって、受講者の満足度を高められるでしょう。
- スマホ専用UI
- 縦スクロール設計
- 片手操作最適化
「文字が小さい」「読み込みが重い」といったPC前提のUIで起こりうる問題を解消することが可能です。
4-3. 学習モチベーション設計
UX設計では、「続けたくなる仕組み」も重要です。
例えば、以下のような仕組みを組み込むことで、継続率向上につながります。
- 進捗率表示
- 達成バッジ
- ランキング
- 連続学習記録
受講者が定期的に小さな達成感を覚えられることで、コツコツと学習を続けやすくなるでしょう。
受講継続率の低さにお悩みの方には、👉「eラーニング継続率が上がらない原因とは?」の記事もおすすめです。継続率が上がらない原因や現場の課題と改善策を具体的に解説しています。ぜひご覧ください。
なお、当社のmanabi+ schoolでは、一覧画面やダッシュボード、学習導線などを柔軟にカスタマイズできます。また、バッジ機能によるモチベーション向上施策にも対応しており、受講者体験と運営効率の両立を支援します。詳しくはこちらからお問い合わせください。
5. eラーニングシステムを活用したUXカスタマイズ事例

eラーニングシステムを活用したUXカスタマイズは、多くの業界で成果を上げています。ここでは、資格スクールと社内研修という全く異なるシーンで実施したUXカスタマイズの事例を紹介します。
5-1. 資格スクールの事例
ある資格スクールは、従来のLMSを導入したものの、復習率が低いといった課題を抱えていました。
その原因は、分かりにくい問題演習導線によってスマホ離脱率が高いことにありました。
そこで、以下のUXカスタマイズを実施したのです。
- ホーム画面再設計
- 苦手問題レコメンド
- スマホUI最適化
その結果、継続率は向上して問題演習の回数も増加。合格率の改善につながっています。
5-2. 社内研修の事例
ある企業の課題は、社内研修の受講率が低い点でした。
調査をすると、以下のUX問題が浮上しました。
- 受講画面が複雑
- 進捗が見えない
- 何を受ければいいか分からない
そこで、受講一覧を整理したうえでダッシュボード設計を見直し、未受講通知導線の改善を実施。
結果として、受講完了率が大幅に改善しました。
eラーニングは、受講者数が拡大しても一律に管理する必要があります。大規模運用時のUXについては、👉「eラーニングの社内受講管理を効率化」で解説されています。本記事とあわせて参考にしてください。
6. 標準SaaS型とカスタマイズ型の違い
標準SaaS型のeラーニングは、短期間かつ低コストで導入しやすい一方で、画面レイアウトや学習導線、機能追加に制限がある場合があります。
そのため、独自の教育方針や運営フローに合わせた最適化が難しいケースも少なくありません。
一方、カスタマイズ型は、UI・導線設計・機能追加・外部システム連携などを柔軟に調整できます。
自社の研修や講座運営に合わせて学習体験を設計できるため、受講継続率や学習効果の向上を目指したい企業・教育機関に適しています。
7. UX改善で重要な3つの視点
UX改善に取り組む際には、「迷わせない」「考えさせない」「継続しやすい」という3つの視点を考慮することが重要です。1つずつ、詳しく解説します。
7-1. “迷わせない”
eラーニングにおいて重要なのは、「次に何をすべきか」が一目で分かることです。
例えば、UX改善には以下のような施策が有効です。
- おすすめ講座の表示
- 進捗バーの表示
- 「次へ」ボタン最適化
迷わせない画面設計は、受講ストレスの軽減につながります。
7-2. “考えさせない”
eラーニングでは、受講者に考えさせない設計が重要です。
具体的には、以下のような画面は避けるべきといえます。
- 複雑な操作
- 深い階層
- 分かりにくいメニュー
ビジュアルを重視しすぎて複雑になっていないか、注意が必要です。
7-3. “継続しやすい”
学習は継続しなければ本来得られるべき効果を習得できません。
受講者が継続しやすいeラーニング設計にするには、以下の機能を活用するのが良いでしょう。
- 短時間学習に適した教材設計
- 途中保存機能
- 通知・アラート設計
なお、継続率を高めるポイントについて詳しく知りたい方は、👉「資格勉強が続く!継続率を上げる設計ポイント」もあわせて参考にしてください。
8. ゼロからの自社開発ではなく『カスタマイズ型』を選ぶメリット
現在は、API連携やノーコード構築、柔軟なUI変更ができるSaaSが増えています。
そのため、UXをゼロから開発する必要がない時代に突入しているのです。
カスタマイズ型eラーニングのメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 開発コスト削減
- 改善スピード向上
- 保守負荷軽減
カスタマイズ型eラーニングを選ぶメリットのなかでも、現場主導で改善できる点は特に重要です。
バナー変更・導線変更・特集ページ作成などをノーコードで変更できると、改善速度が大きく変わります。
UX改善=自社開発というケースが多かった従来のeラーニング運営を、より多くの担当者が担えるようになっているのです。
9. 今後のeラーニングUXはどう進化するのか
今後は、固定型LMSではなく、継続的に進化できるeラーニングが求められます。
特に、柔軟にUX改善できる基盤が重要です。
- AIレコメンド
- パーソナライズ学習
- 学習行動分析
がさらに進化すると考えられます。
AIエージェントなどを取り入れて個別最適化を図るeラーニングが増える中、ノーコード運用で受講者満足度を高めるUX設計は必要不可欠といえます。
まとめ|eラーニング カスタマイズは“学習体験”を変える
eラーニングの成果は、教材だけでは決まりません。
実際には、
- UI
- 導線
- 操作性
- 継続しやすさ
などのUX設計が大きく影響します。
しかし、多くのSaaS型LMSでは、固定UIという限界があります。
そこで重要になるのが、eラーニング カスタマイズです。
柔軟なカスタマイズによって、
- 受講継続率向上
- 学習効果改善
- 離脱防止
を実現できます。
今後のeラーニングでは、「何を教えるか」だけでなく、「どう学ばせるか」がより重要になっていくでしょう。
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